正しい理解と協力を/お悩みQ&A

正しい理解と協力を

小学校3年生になる孫のことで相談です。最近、学校から発達障害の可能性があると言われ、心配でなりません。私が何かできることはないですか?  

(50代女性)

発達特性を理解して周囲が療育の協力を

伊藤高〔メディカルカウンセリングルーム いとうクリニック(高知市)院長 精神科〕

 お孫さんのこと、大変ご心配ですね。発達障害には、注意欠陥多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、そして学習障害(LD)の3つが含まれます。
 一言で言えば、ADHDは不注意、衝動性や多動が目立ちます。ASDは対人関係やコミュニケーションに問題があり、こだわりが強い特性があります。また、LDでは読字や計算など、特定の学習が困難です。これらは、生まれながらの脳のネットワークに問題があり、発達のバランスの異常が生じているとされています。
 育て方やしつけが原因ではありません。現在、学校現場では発達障害とされる子どもたちが増えてきており、これらの障害のため特別な対応を求められる児童が全体の10%、30人のクラスの中に3人くらいの割合でいるとも言われています。
 お孫さんの場合には乳幼児期にはその特性がはっきりせず、小学校中学年になってから、学校で問題が目立つようになられているようですので、言語や知能の発達にはさほど遅れはないのかと思われます。今後、お孫さんやご家族が療育に関する専門的なフォローを受けて、その発達特性を理解し適切に対応できるようになることが大変重要です。
 そうすることで、日常生活や学校での問題も今後は少しずつ改善されて、お孫さんなりの発達が促進されることが期待されます。おばあさまもご理解とご協力をお願いします。

(大阪府箕面市・教学寺門徒)

『本願寺新報』2018年8月20日号掲載