経過観察といわれたが/お悩みQ&A

経過観察といわれたが

1年前に乳頭の少し上に、2ミリほどの腫瘍が見つかりました。マンモグラフィと細胞診をし、がんではないと言われました。今年の検診でも、同様の結果でした。今は「経過観察」と言われていますが、毎年、検査した方がいいのでしょうか。

(45歳女性)

定期的な乳がん健診と毎月の自己検診を行う

森田眞照〔市立ひらかた病院(大阪府枚方市)顧問〕

 2ミリほどの腫瘍が乳頭の少し上に見つかったということですね。ご自分で気がつかれたのでしょうか、健診で見つかったのでしょうか?
 乳がんは身体の表面にできるために自分で発見することができる数少ないがんなので、定期的な乳がん健診と月1回ペースで、自己健診することが大切です。
 毎月自分で決めた日に、鏡に向かい、乳房の変形や左右差がないか、ベッドの上などで仰向けになり、外側から内側へ指の腹を滑らせ、しこりはないかを確かめましょう。
 また、市町村が行っている市民健診を40歳以上の方なら2年に一度、受けることができます。乳房専用のレントゲン検査「マンモグラフィ」と視触診で行われています。最近は視触診を省く場合もあります。健診や自己触診で腫瘍が見つかると、超音波検査や磁気共鳴画像装置(MRI)での検査を行い、がんの疑いがあると細胞診を行います。細胞診だけでは診断を確定できませんので、はり生検という組織の一部を取る検査を行って最終的な診断をします。
 お尋ねのケースは、2ミリとサイズが小さいこと、細胞診を行い悪性でないことが示されていることから、1年に一度の健診、乳房超音波検査(エコー)で定期的に診察してもらうことをお勧めします。エコーは特に30歳代、40歳代の方はマンモグラフィと併用することで診断の精度が上がります。
 女性読者の皆さまは、自己健診を習慣にしてもらえればと思います。

 (奈良県葛城市・西照寺衆徒)

『本願寺新報』2018年9月10日号掲載