息子のいびきは…/お悩みQ&A

息子のいびきは…

11歳の息子がいびきをかきます。8時間以上寝ているのにもかかわらず、学校で「ちゃんと夜は寝ていますか」と担任の先生からいわれたそうです。いびきが問題なのでしょうか。

(42歳男性)

睡眠時の無呼吸は学習にも影響する

安井俊道〔大手前病院(大阪市)耳鼻咽喉科 主任部長〕

 小児のいびきのほとんどの原因は、扁桃とアデノイド(咽頭扁桃)が大きくて、息の通り道が狭いことによります。特に、通り道の閉塞が強いと、「睡眠時無呼吸」と言い、寝ている間に呼吸ができない時間が生じることがあります。
 その状態になると、脳は眠りを浅くし、寝返りを打たせたりして無呼吸を回避しようとします。睡眠時無呼吸という眠りが浅い状態が続くと、日中に眠気を生じます。小児では、長年続いていると、体が慣れてしまい、一見眠気がないように見えるので注意が必要です。
 今回は、学校の先生に指摘されたということで、他人から見ても日中の眠気があることと推察します。日中の眠気は、集中力や記憶力低下で学習にも不利益を生じるため、睡眠時無呼吸がないか観察が必要です。いびきの程度と無呼吸の有無を観察してあげてください。
 無呼吸は、一見いびきが止まっているように感じることがありますが、無呼吸であれば胸が動いていない状態のはずです。一般に扁桃とアデノイドは5歳から7歳が一番大きいため、11歳という年齢は少し年長の印象ですが、いずれにせよ小児の睡眠時無呼吸に詳しい耳鼻咽喉科で相談してください。強いいびきや無呼吸があって、扁桃とアデノイドが大きければ、第一選択は手術治療になります。手術で、ほとんどの場合は改善します。改善がみられない場合は、肥満や小児科領域の可能性があり、さらに検査などが必要になります。

 (大阪府泉佐野市・極楽寺衆徒)

『本願寺新報』2018年10月1日号掲載