息子はチック症ですか?/お悩みQ&A

息子はチック症ですか?

小学3年の息子は昨年末、喉の奥の方から高い音を発するようになりました。肩をすくめる症状もあり、チック症を疑っています。学校では症状が出ないようです。症状が悪化、慢性化しないか心配です。

 

(41歳女性)

物事を繊細に感じる子どもによく見られる

森田利江〔西宮こども未来センター診療所(兵庫県西宮市)顧問 小児科〕

 ご質問の症状は、やはり「チック症」だと考えられます。チック症には、音声チックと運動性チックがあり、小児によく見られ4週間以上持続します。1年以上持続する場合は慢性チック症や重症のトゥレット症候群が考えられます。
 さて、お子さまの症状は、音声チック(喉の奥から高い音を発する)と動作性チック(肩をすくめる)の両方が見られているようです。
 学校では症状が出ないようですね。学校や外出時は緊張のために症状が抑えられていて、家庭でだけ見られることもよくあります。この場合、最初に気づくのがお母さまで、家庭に問題があるのではと心配されることも多いのですが、そうではありません。
 小学校2年生の年末から症状が続くようですが、毎日なのでしょうか? 行事の際に増悪ぞうあくしませんでしたか?
 お子さまのように2種類ある場合は少し長引くこともありますが、新たな症状が見られておらず年齢とともにゆっくりと目立たなくなると考えます。
 悪化や慢性化を心配されていますが、徐々に症状が強くなっている、症状が多彩になってきたなど、日常生活に支障をきたす場合は、専門医を受診しましょう。
 大切なことは、チック症は無意識にしていた症状で、注意してもやめられないこと。むしろ物事を繊細に感じる子どもさんによく見られることだと理解することです。

 ゆっくり話を聞く、黙って寄り添う、感謝の念を持ち相手を敬うという姿勢は子どもにも必ず伝わります。大切なことは普遍です。

 (奈良県葛城市・西照寺寺族)

『本願寺新報』2018年11月1日号掲載