インフルエンザの予防接種?/お悩みQ&A

インフルエンザの予防接種?

お母さんは「予防接種を受けておかないと、たいへんなことになるよ」と言って、病院に連れていこうとします。去年は予防接種をしたのに、インフルエンザにかかりました。今年も予防接種は、受けないといけませんか?

 

(小学6年生)

重い病気にならない 友達にうつさないため

永松秀康〔ながまつ内科・小児科クリニック(大分県豊後高田市)院長 消化器内科〕

 非常ひじょうにいい質問しつもんです。

 きっとインフルエンザの予防よぼう接種せっしゅいた注射ちゅうしゃなので、なぜ受けなければならないの?と思っているのでしょう。

 なので、予防接種を目的別にお話しますね―。

 ①「病気にかからない」ことを目的とする予防接種があります。ふうしん(三日はしか)にかからないようにするための注射です。お腹の中に赤ちゃんがいる時に風しんにかかってしまうと、生まれつきの目や耳などの病気になるので、それらを予防するために受けます。

 残念ながら、きみが言うようにインフルエンザは予防接種を受けていてもかかってしまうことがあるので、この「病気にかからない」ための注射ではありません。

 では、なぜ受けるかというと、②「病気になってもひどくならない」ために受けるのです。特に、子どもはインフルエンザ脳症のうしょうという重い病気を予防することができます。

 そして、もう一つ忘れてならない予防接種の目的に③「病気が他の人に広がることを防ぐ」ことがげられます。

 例えば、子どもが肺炎はいえん球菌きゅうきんの予防接種を注射することによって、子どもだけではなく、65さい以上のおとなの病気が少なくなったとする報告ほうこくがアメリカから発表はっぴょうされました。

 つまり、子どもの注射によって大人の病気を防いだということです。

 インフルエンザの注射は痛いですが、家族や友達などまわりの人が病気になることを防ぎ、重い病気にならないためにも必ず受けようね。

 (大分県豊後高田市・浄周寺副住職)

『本願寺新報』2018年11月20日号掲載