背が低くなったような…/お悩みQ&A

背が低くなったような…

「若い頃に比べて、身長が2、3㎝低くなりました。最近、さらに低くなったようにも感じます。身長が低くなるのは、良くないことなのでしょうか」

 

(70歳女性)

病気の可能性もある まずは検査を受けて

西本真証〔センクサス産業医事務所 パートナー医師 ヘルス・アンド・カンパニー代表取締役〕

 何か疾病しっぺいが潜んでいる可能性も考えられるため、まずは検査を受けましょう。
 身長が低くなる要因として、主に次の3つが考えられます。①背骨(椎体ついたい)の変形。骨粗しょう症などが起因し、骨がもろくなり、気づかないうちに背骨が圧迫骨折や変形を来たし、身長が低くなります。②椎間板ついかんばんの変化。加齢に伴って、椎間板の水分量が減り、椎間板の厚みが徐々に薄くなり、身長が低くなります。③不良姿勢。猫背は特徴的であり、長年の習慣化によってもたらされます。また、股関節こかんせつや膝関節を曲げて立つ姿勢も身長に影響します。ただし、それらは、変形性股関節症や変形性膝関節症が潜んでいるといった可能性も考えられます。
 骨粗しょう症は、背骨だけではなく、全身の骨がもろくなっているため、転倒によって大腿骨だいたいこつ(太ももの骨)の付け根などが骨折しやすくなります。このような部位に骨折が生じると日常生活に支障をきたす可能性があります。特に女性は、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ることにより、骨量が減少するので、定期的に骨密度検査を受けられることをお勧めします。市町村の検診で実施していることもありますので、まずはそちらをご確認ください。また、かかりつけ医や整形外科に相談されるのもよいでしょう。もし骨粗しょう症に至ってなくても、骨密度が低下している場合、食事や運動などの生活習慣に気を付け、予防意識を高めることが望ましいと思います。

 

 (奈良県香芝市・西方寺寺族)

『本願寺新報』2018年12月20日号掲載