高血圧症で血圧の上が170を記録、大丈夫ですか?/お悩みQ&A

高血圧症で血圧の上が170を記録、大丈夫ですか?

数年前から、「血圧が高い」と高血圧の治療を受けています。血圧測定の機械を購入して自宅で時々、測って記録しています。普段は上の血圧が140前後ですが、血圧が170に上がったりするのですが、大丈夫なのでしょうか?

(60代女性)

一時的なら心配なし 医師と気やすく相談を

田畑正久〔佐藤第二病院(大分県宇佐市)院長 外科・緩和ケア・老人科〕

 高血圧の治療は、将来に動脈硬化が原因で発症する、脳血管障害(脳梗塞こうそくやくも膜下出血など)や、心臓血管障害(狭心症、心筋梗塞など)の予防を目指した治療です。
 動脈硬化の原因は加齢や糖尿病、脂質異常、肥満など、さまざまな要因が想定されます。それらをいい状態に維持管理して動脈硬化の進展を予防しましょう。
 血圧とは、血管内の圧力です。心臓から流れる血液が血管を押す力と考えていいでしょう。体を動かす時、必要に応じて血液の巡りを調整するようにできています。心身の状況に応じて血圧が上昇したり下降したりします。血圧が必要に応じて上下することは、心臓の状態が良好であることを示しています。普段、日常生活を送っている時の平均的な血圧の状況で血圧の管理が適切になされているかどうかの判断をします。
 統計的には平均血圧の状況で脳血管障害、心血管障害の発症や、それらが原因での死亡数を統計的に調べて、どの血圧の時が一番いい状態なのかを判断し、目標血圧としています。
 最近は、上が140前後がいいとされていますが、年齢によっても異なることがあります。新しい統計資料では上が130ぐらいがより好ましいと言われています。高血圧の治療は5年後、10年後の脳、心臓血管障害の予防ですから、一時的な血圧の上昇は心配する必要はないでしょう。

 血圧に限らず、気やすく相談できる人間関係、「かかりつけ医」を持つことが大事です。

 

 (宇佐市・圓徳寺門徒)

『本願寺新報』2019年5月10日号掲載