両足首の締め付けが…/お悩みQ&A

両足首の締め付けが…

6 年前に腰部脊柱管狭窄症ようぶせきちゅうかんきょうさくしょうの手術をし、ある程度距離を歩くことができるようになりましたが、足の裏にしびれがあり、両足首が締め付けられる感じがあり、1年前から整形外科で鎮痛剤「リリカ」を処方してもらい服用しています。しかし、しびれや締め付けられる症状は変わらず、時にかかとから上に突き上げられる感があります。洗面の時など立ち止まっているとふらつくこともあります。足首の締め付けがなぜ起こるのか、その原因を教えてください。

(70歳男性)

加齢変化などにより神経の通り道が狭く

植村理〔登美ヶ丘リハビリテーション病院(奈良市) 診療部長〕

 腰部脊柱管狭窄症では、加齢変化などにより、骨の変形、骨をつなぐ椎間板ついかんばんや関節の変形、じん帯の肥厚ひこうなどが起こり、腰椎の神経の通り道が狭くなります。神経が押しつぶされ、痛みやしびれ、筋力低下などが起こることがあり、症状は、安静時より歩行中に強くなる傾向があります。
 治療方法は手術だけではありませんが、症状やその程度によっては手術を行います。
 手術によって、押しつぶされた神経を楽にすることはできますが、ダメージを受けて傷んだ神経を完全に回復させたり、置き換えたりすることはできないので、症状がすべてなくなるとは限りません。
 一般的に、痛みは軽くなりやすく、質問の方が実感されている通り、歩ける距離が長くなりますが、しびれや筋力低下は長引いたり、残ったりしやすい傾向があります。
 「足首の締め付け」は、腰部脊柱管狭窄症の症状が残っている可能性のほかに、足首や足の別の病気が原因の可能性もあります。腰部脊柱管狭窄症の症状と診断されている場合は、現在処方されている薬で治療を続けられるのがよいのではないでしょうか。
 治療によって症状がなくなるのがベストですが難しい場合も多く、最近は、症状がなくなることだけではなく、日常の活動レベルの向上を治療の目標にすることも多くなっています。

 質問の方はご自身の病気のことをよく理解されているようですので、治療の限界も含め、担当医の先生と情報を共有することをおすすめします。

 

 (奈良市・淨教寺門徒)

『本願寺新報』2019年9月1日号掲載