飲酒の機会が多い 健康のための休肝日は必要?/お悩みQ&A

飲酒の機会が多い 健康のための休肝日は必要?

会社の健康診断でγガンマーGTの数値が110を超えているので要検査となりました。飲酒の機会が多いためでしょうか。休肝日を週2回もうけたのですが、週3日以上にした方がよいと言われました。休肝日以外に、肝臓によいことなどないのでしょうか。

(47歳男性)

アルコール摂取量の適量を知っておこう

荒滝桂子〔医療法人あかね会土谷総合病院(広島市)消化器内科 部長〕

 γ–GTが高いといわれると、まず「お酒の飲みすぎ」を思い浮かべますよね。ですが、γ–GTは、薬やサプリメント、漢方薬などが原因で上がることもあれば、肝臓から十二指腸に流れる胆汁の流れが悪くなっても上がります。ですから、まずは、アルコール以外にγ–GTが上昇する原因がないか調べる必要があります。
 それは、腹部超音波検査。この検査は、苦痛もなく、肝臓、胆汁の流れる管(胆道系)、胆のうのみならず、すい臓や腎臓などの状態も簡単にわかります。
 まずは、2週間ほど禁酒して消化器科を受診、これらの検査をしてもらいましょう。アルコールのみが原因であればおそらくγ–GTは下がっているでしょうし、診断の助けにもなります。
 最後に、アルコールの適量も知っておきましょう。
 「節度ある適度な飲酒量」は、1日のアルコール摂取量が20グラム程度。ビール(5%)なら500ミリリットル、日本酒(15%)なら1合弱、ワイン(12%)ならグラス2杯(200ミリリットル)、焼酎(25%)なら100ミリリットル、ウイスキー(40%)ならダブル1杯(60ミリリットル)。
 しかし、適量は個人差が大きく、少量の飲酒で顔が赤くなる人はアルコールを分解する酵素の働きが弱いので、さらに少ない量が適当です。女性、高齢者も同様です。
 休肝日を増やしたとしても、飲酒日の量が適量よりはるかに上回ると、これも問題です。くれぐれも節度ある適度な飲酒をお願いします。

 

 (広島市中区・唯信寺門徒)

『本願寺新報』2019年9月10日号掲載