高齢者うつというのは何歳ごろからですか?/お悩みQ&A

高齢者うつというのは何歳ごろからですか?

66歳を過ぎた母は、明るかった昔と違って表情は暗くなり、耳が聞こえにくいからか口数も減っています。涙もろくもなっています。怒ったような独り言を言い、自分の頭をこぶしでたたいたこともありました。鍋を焦がすなどのミスも目立ちます。周りはどのように声をかけたらよいのでしょう。

(36歳女性)

65歳以上の高齢のうつ病 認知症との区別が難しい

瀧本裕〔愛仁会千船病院(大阪市)脳神経内科 主任部長〕

 老人性うつの人に見られる「不安や焦燥しょうそう感(いらいら感)を訴える」「落ち着きがなくなる」「趣味やそれまで好きだったことに対して興味を示さなくなる(一日中ボーッとする)」「出不精になる」という様子は、認知症の初期にも見られる症状のため、うつか認知症かの判断は難しいところです。
 うつ病は、早期に正しく治療をすれば改善する可能性がありますので、安易に「年のせい」と決めつけず、すみやかに医師に相談してみましょう。
 老人性うつは、自身の退職、子どもの独立、配偶者との死別、肉体的な衰え、痛みなどが原因で発症することが多いとされています。老人性うつにかかる人は責任感が強い方が多いため、家事などを家族で分担し、本人に無理をさせないようにしましょう。
 さらに高齢者は、気力や筋力が衰えやすいため、ゆっくり休んでもらいつつも、時々外出に誘うなどして心身に適度な刺激を与えられるように調整してみることをお勧めします。
 なお、「頑張れ」などの励ましは、病気を悪化させることもあるため、避けた方が賢明です。また、接し方で大切なことは、本人の主張を認めることです。
 「つらい」「体が痛い」と訴えているときに、否定や反論をしてしまうと、ますます悲観的になり症状の悪化につながります。真摯しんしに耳を傾け、共感してあげるよう心掛けましょう。

 

 (兵庫県西宮市・光明寺門徒)

『本願寺新報』2019年10月10日号掲載