高濃度ビタミンCの点滴 がん治療に効果あるの?/お悩みQ&A

高濃度ビタミンCの点滴 がん治療に効果あるの?

肝臓がんの治療をしています。医師から高濃度ビタミンC 点滴を週2回のペースで投与する治療を勧められました。ビタミンC は健康飲料で飲むのとどう違うのでしょうか。費用がかかると説明されたのですが、この治療は効果が見込めるのでしょうか。

(62歳男性)

静脈を通じて大量投与 代替医療のため慎重に

後藤章暢〔兵庫医科大学(兵庫県西宮市)教授〕

 健康飲料で飲むビタミンCと比べて、点滴はビタミンCの血中濃度を20~40倍以上に増やすといわれています。口から摂取するビタミンCは水溶性のため、大量に摂取しても余剰分は尿としてすぐに排泄はいせつされてしまうため、大量投与ができません。
 あなたが今、医師から勧められているのは「高濃度ビタミンC点滴療法」です。静脈を通じて大量に投与されたビタミンCが、がん細胞を選択的に傷害することを期待した治療法です。
 がんの治療には標準治療として外科療法、化学療法、放射線療法があり、そのほかにもすでに治療効果が証明されているものがありますが、「高濃度ビタミンC点滴療法」は代替医療の一つで、標準的治療法に優先するものではありません。そのため末期がんの患者さん、抗がん剤や放射線治療ができない方やがんの再発やがん転移予防目的に受けられるケースが多いようです。また美肌効果、疲労回復効果や免疫力の向上をうたった宣伝が多く、自由診療クリニックを中心に行われています。

 標準治療と併用したりすることで、がん治療効果を増強した報告もありますが、高濃度ビタミンC点滴療法だけでのがん治療は慎重にされたほうがよいでしょう。肝臓がんには多くの治療法がありますので、現在の病期がわかりませんが、セカンドオピニオンとして、ほかの医療者への相談も必要かもしれません。ご自身が納得のいく治療の選択をお勧めします。

 

 (神戸市東灘区・西林寺門徒)

『本願寺新報』2019年10月20日号掲載