コレステロール下げる薬にコエンザイムQ10の併用は?/お悩みQ&A

コレステロール下げる薬にコエンザイムQ10の併用は?

血液検査をしたところ悪玉コレステロールの数値が高いので、医師から処方された薬を毎日服用しています。健康を勧める図書に、コレステロールは脳に必要な成分で、低くする薬を服用するなら、コエンザイムQ 10を一緒に服用するように書いてありましたが、正しい情報なのでしょうか。

(42歳女性)

併用する利点はない 服用は医師と相談を

澤田知宏〔沢田内科医院(熊本市)院長 総合内科・血液内科〕

 コレステロールは私たちの体をつくる細胞まくの成分であり、ステロイドホルモンや胆汁酸たんじゅうさんの原料です。
 コレステロールは肝臓で作られ、リポ蛋白たんぱくとなって血液の中を運ばれ、体の隅々の細胞に届けられます。低比重リポ蛋白(LDL)は動脈硬化症の進展と関係があることが知られ、LDLコレステロールが多いと心筋梗塞こうそく、脳梗塞、あるいは末梢まっしょう動脈閉塞症などが起こりやすくなります。
 そのためLDLコレステロールは〝悪玉〟と呼ばれることがあります。コレステロールを下げると寿命が短いとか脳出血が多いなどと聞くことがあるかもしれませんが、医学的には正しくありません。そもそも重篤な病態でコレステロールは低下するからです。
 コエンザイムQ10は生命のエネルギーを作るために必須の物質で、ミトコンドリアという細胞内器官にあります。コエンザイムQ10は抗酸化作用がありますが、体外から投与した場合の効果には議論があります。LDLコレステロールを下げる薬で起こる筋肉痛をコエンザイムQ10が軽減するのではないかと臨床研究が行われましたが、結果は否定的でした。
 ご質問にあるようにコレステロールを下げる治療にコエンザイムQ10を併用する利点はないようです。コエンザイムQ10に重大な副作用はありませんが、降圧薬やワーファリン(抗凝固薬)と相互作用がありますので、サプリメントとして服用する場合はかかりつけの医師または薬剤師にご相談ください。

 

 (熊本市中央区・廣德寺門徒)

『本願寺新報』2019年11月1日号掲載