風疹の予防接種 40代の今なぜ接種?/お悩みQ&A

風疹の予防接種 40代の今なぜ接種?

風疹の予防接種を促す記事広告を見ました。予防接種の効果があるかどうか近くの医院に行って確かめるようにという通知がきたのですが、どのような検査をするのでしょうか。今ごろ、なぜこのような知らせがくるのでしょうか。

(44歳男性)

昨年7月に風疹増加 予防接種ない世代へ

澤田知宏〔沢田内科医院(熊本市)院長 総合内科・血液内科〕

 風疹は全身の発疹ほっしん、発熱、リンパ節腫脹しゅちょうを特徴とするウイルス性疾患です。感染すると14~21日の潜伏期せんぷくきを経て、耳の後ろやけい部リンパ節がれ、発疹が顔、首、体、手足に広がり3日間ほど続いて消えます。リンパ節腫脹は数週間持続します。結膜炎、関節炎が起こることもあります。
 妊娠中に風疹ウイルスに感染すると先天性風疹症候群が発症することがあります。
 未だ風疹ウイルスに効く薬はないので、最善は予防のワクチン接種です。日本では1977年から、妊娠時の感染防止を目的として中学生女子に風疹ワクチンの定期接種が始まり、95年から風疹の発症とまん延の防止を目的として90カ月未満の男女幼児に定期接種が始まりました。2006年、麻しん・風しん混合ワクチン(MR)の使用が可能になると定期接種は2回(1歳と小学校入学前)になりました。2008年から5年間、中学1年生および高校3年生相当の年齢に定期接種が追加されました。しかし、その効果を見るまでもなく、2018年7月風疹患者数が大幅に増加、同年12月厚労省の追加的対策によって、女子中学生のみが定期接種の対象であった世代の男性(1962年4月2日~1979年4月1日生まれ、57~40歳)にワクチンを接種することになったのです。
 この世代の男性の風疹抗体陽性率は80%ですが、ワクチン接種前に風疹抗体の有無を確かめなければなりません。そのための採血が行われ、その結果、予防に十分な抗体価がない場合、ワクチンを接種します。検査とワクチン接種の費用は公費です。

 

 (熊本市中央区・廣德寺門徒)

『本願寺新報』2019年12月20日号掲載