なかなか眠れません/お悩みQ&A

なかなか眠れません

眠れなくて困っています。朝からボーっとしてしまい、会議中に眠くなってしまいます。なかなか寝付けず、スマートフォンでゲームをし、気付いたら朝方になってしまうこともあります。休日は昼まで寝ることができ元気なのですが、日曜日は夕方から憂鬱ゆううつな気分になり、眠れません。

(40歳男性)

日常生活のリズムと入浴や寝具で温めて

小川紘子〔小川労働衛生コンサルタント事務所産業医 内科(東京都新宿区)〕

 睡眠の鍵は、「メラトニン」という脳内の松果体しょうかたいで合成され、体内時計を司るホルモンが握っています。起床して日光からの光刺激が網膜から入ると、メラトニン分泌が抑制されます。メラトニンは起床して14時間後から分泌され、それにより深部体温が下がり始め、2時間後には最大に達し、眠くなります。
 安定したメラトニン分泌のためには、休日も平日とあまり差のない時間に起床し日光を浴びることが必要です。また入眠前のスマートフォンも光刺激となってしまうので、避けたほうがよいでしょう。メラトニンの原料となるトリプトファンを多く含む乳製品、卵、納豆、鶏肉といった食材を摂ることも大切です。
 このようなことから、良好な睡眠を得る日常生活リズムが自ずとみえてきます。
 ①メラトニンの最大分泌時に就寝しましょう(午前7時に起床した場合は、午後11時頃)。②入浴や寝具により身体を温めましょう。表面体温が上がると深部体温が下がり寝付きやすくなります(冷え性の方は表面体温が低く深部体温が下がりにくいので、なかなか眠れないのです)。
 ①②を実行しても不眠が続くようであれば、心療内科などを受診し睡眠薬を服用することをお勧めします。適切に使用すれば良眠を得ることができ、それが自信につながれば気持ちも安定してきます。

 正信偈のおつとめのCDを聞きながら眠りに入り睡眠障害を克服した方もいらっしゃいました。仏縁のある方の治療方法の一つです。

 

 (新潟県上越市・願念寺門徒)

『本願寺新報』2020年4月20日号掲載