在宅勤務で肩こりがひどい/お悩みQ&A

在宅勤務で肩こりがひどい

緊急事態宣言が発令され在宅勤務(テレワーク)をしています。新型コロナウイルスに感染したくないので、スーパーマーケットに行く以外、全く外出していません。そのせいなのか、運動不足で腰痛や肩こりが以前にも増してしまい、頭痛もひどくなってしまいました。改善策をおしえてもらえないでしょうか。

(37歳女性)

「正しい姿勢」を意識 血行よくする運動も

小川紘子〔小川労働衛生コンサルタント事務所 産業医 内科(東京都新宿区)〕

 「腰痛、肩こり、頭痛」の多くは、「筋肉の緊張」によって生じます。筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸やピルビン酸などの老廃物がたまります。それが周囲の神経を刺激し、痛みをおこすのです。
 在宅勤務(自宅でのパソコン作業など)になりますと、長時間の座位姿勢により、前かがみ等の姿勢が固定化し、かたよった筋活動から、筋肉が緊張してしまいます。そして、運動不足も重なると、筋力が低下してしまい、弱った筋力で体の重みを支えようとするため、さらに筋肉が緊張してしまいます。改善のためには、全身の筋肉の緊張をゆるめ、血行をよくする運動を取り入れ、作業姿勢、作業方法を工夫する必要があります。気軽にできる運動として、「ラジオ体操」をお勧めします。日常で使っていない固まった筋肉の緊張がゆるみます。また1分間程の「片足立ち」も、下半身の筋力が鍛えられ、股関節がゆるみ、骨盤の緊張をほぐす効果があります。

 「正しい姿勢」を意識して、作業できていますでしょうか。「長時間同じ姿勢を保たないこと」も大切です。眼精がんせい疲労とも関連性があり、ピントを調整する毛様体筋もうようたいきんが疲労し、自律神経が乱れ、肩こりや頭痛が悪化します。こまめな休憩を取り、密でない空間で、日光浴もしてみましょう。日光浴によって生成されるビタミンDは、痛みを感じる神経の興奮を調整する作用があります。「冷やさない」ことも大切で、衣類などで調整しましょう。

 (新潟県上越市・願念寺門徒)

『本願寺新報』2020年6月1日号掲載