疲れやすく生理中は頭痛が…/お悩みQ&A

疲れやすく生理中は頭痛が…

最近疲れやすく、マスクをして歩くと息切れもします。生理中は頭痛がひどいのですが、何が原因かよくわかりません。改善方法があれば、教えてほしいのですが。

(43歳女性)

潜在性鉄欠乏かも? フェリチン値測定を

永松秀康〔ながまつ内科・小児科クリニック(大分県豊後高田市)院長 消化器内科〕

 鉄欠乏による症状かもしれません。鉄分不足の代表的な病気は貧血です。しかし、血液検査で貧血でないのに、鉄分が不足しますと、頭痛、冷え性、倦怠けんたい感、肩こり、関節痛、のどの違和感、肌があれる、イライラする、よく眠れないなどさまざまな不定愁訴しゅうそを起こします。また、子どもの多動症などでも鉄分不足が指摘されています。このような貧血ではないのに鉄分が不足した状態を「潜在性せんざいせい鉄欠乏」と呼んでいます。
 血液検査で「フェリチン」を測定すれば、体内の鉄分量がわかります。理想値は100ですが、30未満は鉄剤投与を考慮する状況で、日本人の15~50歳の女性の70~80%はこれに該当するといわれます。アメリカなどは国策で小麦粉に鉄分やミネラル、ビタミンを入れるように法律で定められているので、鉄分不足は問題になっていません。一方、日本ではこのような対策はなされておらず、若い女性の鉄欠乏が多数見うけられます。

 今回、質問をされた女性の方も、血液検査で鉄欠乏があれば、積極的に食事から鉄分を補給するように心がけてください。赤身の肉類がおすすめです。ホウレンソウなどの野菜は赤身の肉に多い「ヘム鉄」ではなく、「非ヘム鉄」を多く含んでいますので、吸収効率が肉類の10分の1と低く、大量に摂取する必要があります。また、内服薬の鉄剤もありますので、医療機関でご相談ください。

 

 (大分県豊後高田市・浄周寺住職)

『本願寺新報』2020年6月20日号掲載