娘の月経痛が心配で・・・/お悩みQ&A

娘の月経痛が心配で・・・

高校生の娘がいます。最近、月経痛がひどく、いつも寝込みます。だんだんとひどくなっているような気がして心配です。どうしたものでしょう。

(45歳女性)

早めの鎮痛剤の服用を つらい時は産婦人科に

内田うちだ 克彦かつひこ〔内田産婦人科医院(福岡県)院長 産婦人科〕

 月経困難症の症状が見られますので、まずは鎮痛剤を毛嫌いしないで、早めに服用することをお勧めします。ギリギリまで我慢し脂汗を流しながら服用すると、胃が有効成分を充分に吸収できなくなり、結果として効きが悪くなります。また早めに服用することにより、発痛物質の発現を防ぐ効果もあります。
 市販されている鎮痛剤として、強い方からボルタレン、ロキソニン、次いで、バファリン、カロナール、イブなどがよく使われているようです。強いものは胃の調子が悪くなることがあるので、空腹時には飲まない方がいいです。また、座薬は胃を経由せず吸収されますので非常によく効きます。
 鎮痛剤以外には、当帰建中湯とうきけんちゅうとう芍薬甘草湯しゃくやくかんそうとうという漢方薬がよく効く場合もあります。
 日常生活からの改善点として運動をすることをお勧めします。フラフープやヒップホップ、フラダンスなど骨盤の中の血流がよくなるような運動がよいと思います。月経の予定が近づいたら、ぬるめのお風呂に長めに入浴されるのも効果的です。下腹部を温めると効果的です。
 以上のような工夫をしても月経困難症がつらい時には産婦人科を受診しましょう。子宮内膜症などの病気が見つかることもあります。
 低用量ピルの処方を受けるととても楽になる方が多いです。最近では月経困難症の病名で保険が適用され、1カ月あたり1000円程度で服用できます。毎月、保健室で寝込んでいた高校生が低用量ピルのおかげで成績がよくなった例を何回か経験しました。

『本願寺新報』2021年6月20日号掲載