口内炎ができやすい・・・/お悩みQ&A

口内炎ができやすい・・・

中学3年生の息子(14歳)に口内炎ができやすいので心配しています。ビタミンBが入っている市販の栄養剤を飲むことを心がけ、できたときには「口内炎パッチ」で対応しています。ネットを見ると、口内炎にも種類があると書かれており、心配になりました。医院でみてもらったら、検査などでどのような口内炎かわかるのでしょうか。

(45歳男性)

2週間経過後も改善しない場合は受診必要

永松 秀康〔ながまつ内科・小児科クリニック(大分県)院長 消化器内科〕

 質問者の子どもさんは中学生ですので、まず、食事の好き嫌い、睡眠不足、学校生活のストレスなどがないでしょうか?
 これらは再発する口内炎の要因となりますので、あるのならば生活習慣を改める必要があります。特に心配する必要のない口内炎は、2週間を目安に改善していきます。
 口内炎の外見は、灰白色の境界が明瞭なもので、大きさはおおむね5ミリ未満です。もし、2週間を経過しても改善のきざしがない場合は、難治性の疾患しっかんひそんでいることがありますので、精査が必要になります。
 例えば、白血病やHIV感染が口内炎を契機に見つかることもありますので、血液検査などが必要になります。また、下痢や微熱、体重減少などの多彩な症状とともに口内炎を伴えば、腸に炎症をきたすクローン病が疑われますので、CT(コンピューター断層撮影)や内視鏡検査などを行います。
 さらに、20~40歳代をピークに、外陰部潰瘍かいようがん症状を合併する病気にベーチェット病があります。これらの症状を発症する数年前から、難治性の口内炎(再発性アフタ性潰瘍ともいう)をきたす場合があり、注意が必要です。

 そして、見逃せないのがぜつがんです。好発年齢は50~70歳ですが、20歳代での発症もあります。「硬さがある、境界が不明瞭、色調が不均一、舌縁ぜつえんに好発する、痛みがないこともある」などの特徴がありますので、2週間を目安に受診をお考えください。
『本願寺新報』2021年8月20日号掲載