新型コロナのワクチン 追加接種は受けるべき?/お悩みQ&A

新型コロナのワクチン 追加接種は受けるべき?

ワクチンは接種してから約半年で効果が半減すると聞いたのですが、本当なのでしょうか。3回目の接種は必要なのでしょうか。

(65歳男性)

抗体は半年後に減少する 追加接種で感染予防を

一石英一郎〔国際医療福祉大学病院(栃木県那須塩原市)教授 消化器内科副部長 予防医学センター〕

 ワクチン接種が進んでいるアメリカ、イギリス、イスラエルなどでは3回目のワクチン接種がすでに行われています。理由としては、ワクチン2回接種直後に抗体が一旦は増えるものの、半年後に減ってきてしまうからです。
 受験生が勉強をしているようなイメージで、2回、3回と復習しているうちに確実な記憶となるように、追加接種で免疫細胞が敵であるウイルスをより認識しやすくなると考えられているからです。
 日本においても、飲食店の時短営業の制限がなくなり、忘年会シーズンを迎えることから第6波の感染拡大を生じさせてしまうのではという心配があります。
 イギリスは、日本と同様に高齢者からスタートし国民の7割が2回接種を完了していますが、大胆な制限緩和によって〝ニューデルタプラス〟という変異株が生じて猛威を奮っており、それが日本にも流入してくるのではないだろうかと懸念されています。
 感染者数が減少傾向にある日本も、制限緩和で人の流れが以前の状況に戻っていく中で、感染力の強いウイルスに備えて3回目接種が始められる予定です。現時点では海外でも〝同じ種類〟のワクチンを接種することが多いのですが、イギリスは2回目までの種類と関係なく3回目はほとんどがファイザー製です。

 近い将来、国産ワクチンが誕生すれば、〝交差接種〟という種類の違うワクチン接種の安全性と有効性が確立されることでしょう。これからの追加接種で国産ワクチンの選択肢が増えれば、接種率の向上が期待できます。

 

 (香川県東かがわ市・三寳寺門徒)

『本願寺新報』2021年11月10日号掲載